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第90回メタエンジニアリング研究会
2024年4月30日に開催され、以下の発表と議論がありました。
おもな議事
○化石に眠るDNA
勝又主席研究員より「化石に眠るDNA(2024)」 著者;更科功 中公新書の紹介があった。生物と無生物の境がなくって来ている。
○20年間の山暮らしでの変化
勝又主席研究員より、最近、山梨地域で昆虫や鳥などが減ってきていることを実感していると報告があった。
○人類社会の普遍的な価値
勝又主席研究員より、普遍的な価値が変わるときに危機が訪れることを示した。危機の時代には権威主義が有利となる。
○信仰心について
勝又主席研究員より、信仰には、契約型と崇拝型があるようだと考えているという。
○メタ妖怪学
勝又主席研究員より、井上円了の妖怪学(旧来からの迷信と民間信仰の総称)の本を読んで、彼は「メタ妖怪学」を述べていると感じた。柳田国男とはスタンスを異にする。
○ニューロダイバーシティに関して
最近METIが言い出したニューロダイバーシティに関して、紹介があった。ハーバードビジネスレビューの論文によると、ダイバーシティの進んだ組織からは、ブレイクスルーのイノベーションが生じるようになるが、イノベーションの価値(特許数)の平均値は下がっている。また、人工統計学的多様性は進めやすいが、集合知を深めるには、心理的安定性がないと認知的多様性は活きてこない。
○仮想世界とWEB3.0
小松首席研究員より、最近WEB3.0という名を聞かなくなっているが、現実世界と仮想世界を対比して考えるとき大切なパラダイムである。暗号資産、NFT、DAOなどの動きには注意を要する。
○トランジションデザイン
岡本主任研究員より、変化や意向を写すには、wicked(厄介)な時代において必要となるのがトランジションデザインの考え方であるとの報告があった。
○可視化の効果について
鈴木所長より、入山章栄先生他の講演を聞いた。MECIプロセスの一つexploringに関して、彼は知の探究と知の深化の2軸を考えるべきだという。後者はAIでできるが前者は人しかできない。こちらを極めることが大事だという。あるコンサルの講演で、これまでのレガッタと、最近の川下りのモデルが、組織の在り方の変化を示している。
○木材の高価値化について
鈴木所長より、研究イノベーションが会のブレイクスルー研究会の講演で、NECがITを活用し木材の価値を上げることを考えていることを聞いた。メタエンジニアリングの手法が適用できる。
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メタエンジニアリングに関する新たな知見
・妖怪学にもメタ的思考があった。
・ダイバーシティもニューロレベルで見るとメタ的な考えが適用できる。
・トランジションという考えもメタ的思考である。